行政機関といえばサブカルチャーとは最も遠い所に存在しているイメージですが、2016年から環境省が“萌キャラ”を制作、推進しているのをご存じでしょうか。「君野イマ」「君野ミライ」という2人で、YouTubeに3DCGの動画も公開されています。
しかし現在、この2人の動画が「クオリティーが低いのでは」「知名度ゼロ」「税金の無駄遣い」など散々ないわれようとなっているのです。果たして、そんなにダメな子たちなのか。環境省に直接話を聞いてみました。
●環境省が“萌キャラ”に挑む
そもそも「君野イマ」と「君野ミライ」とは、一体何者なのでしょうか。まずは簡単にご紹介いたしましょう。
この2人は、環境省が推進する「COOL CHOICE」というプロジェクトから生まれました。「COOL CHOICE」は地球温暖化の抑止のため皆に危機意識を持ってもらうことを目的としており、省エネ家電への買い替えや、エコホームの建築、クールビズといった「賢い選択」をするよう訴求しています。
そんななか、同プロジェクトは知名度向上を目的に、思い切った策を打ち出します。それが、萌えキャラクターコンセプト&キャラデザイン公募コンテスト。採用者には賞金も出ました。
そして2017年3月29日、コンセプトとデザインが一般公募から決定。ぐうたらで不摂生な女子高生「君野イマ」が、鏡映しの並行世界「クールワールド」からやってきたしっかり者な自分自身「君野ミライ」から世界の人々にCoolなChoiceを伝える伝道師になってもらうべくエコな生活をたたき込まれる、というものになりました。デザインも、大変かわいらしい感じに。
現在は「COOL CHOICE」公式サイトトップに、2人の特設ページが作られています。また、公式アプリにナビ役として登場したり、YouTubeに3DCGモデルで動く動画が多数投稿されたりと、積極的に活動中。動画内では、上白石萌歌さんが2人の声を当てています。
●「動画のクオリティーが低いのでは?」
しかし2018年8月20日になり、2人の活動に思わぬ物言いが入ります。ネットメディアが、「3DCG動画のクオリティーが低い」「動画再生数が3桁」「知名度ゼロ」「声優が棒読み」「莫大な税金の無駄遣い」など散々な評価を下した記事を公開したのです。
この記事はかなり拡散され、YouTubeの動画のコメントにも厳し目のコメントが多数投稿されてしまうことに。某有名同人ゲームの二次創作と比較するコメントが多いのが印象的です。
実際3DCGのモデリングはレトロ感漂うというか、ノスタルジーを感じるというか、もうちょっとモダンに仕上げられなかったのかなというところがあるのは事実です。また、上白石萌歌さんの演技も、未熟なところが目立つのも否定できません。
また、この記事が公開されたことにより注目を浴び、一部の動画の再生数が急上昇。現在は3万回弱再生されているものもあります。
しかし、果たして本当にそこまで「無駄」だったのか。「失敗」判定を、下してしまっても良いものなのか。生みの親である環境省に話を聞きました。
―― 「君野イマ」と「君野ミライ」はどのようないきさつで始まったのでしょうか。
環境省担当:「COOL CHOICE」の方向性を決める有識者会議で、温暖化への意識が低い若年層へのアプローチの1つとして作られました。クールチョイス推進チーム(環境省と民間企業や団体で構成される)のチーム員の1人から、キャラクターを使えばどうかという提案があり始まったものです。
―― 映像作品としてクオリティーが低いなど厳しい意見があがっていることについては把握していましたか。
環境省担当:普段から「COOL CHOICE」全体について好意的なご意見や叱咤(しった)激励をさまざまに頂いていますが、今回話題に上がっている記事についてはこの取材があるまで把握していませんでした。
―― これらの意見はどう捉えていますか。
環境省担当:賛否含めさまざまな意見をいただいておりますので、貴重なご意見として今後活用していきたいと思います。
―― 知名度が足りないのではと指摘されていますが、今までどのようなプロモーションを展開していたのでしょうか。また、今後さらに大々的に告知したりするのでしょうか。
環境省担当:公式サイトや動画の投稿、プロジェクト賛同者への画像素材の提供などを展開していました。開始直後はネットやメディアで取り上げられるなど、認知度向上に一定の成果があったと認識しています。
その一方で、今回のように認知度が足りないのではないかという指摘があることも把握しておりました。
―― 担当チームとしては、どの程度の熱量で取り組んでいる企画なのでしょうか。
環境省担当:他の普及啓発活動に比べて、特に力を入れているというわけではありません。数ある企画の中の1つとして進めております。
―― 動画再生数の目標はありますか。また、今後さらに伸ばしていきたいと考えていますか。
環境省担当:数字としての目標は設定しておりません。予算をいかに効果的に活用するかが大事であると認識しており、効果を踏まえながら事業を実施しています。「イマ&ミライ」の動画やPRはさまざまな企業や各種媒体、イベント、デジタルサイネージなどで上映を実施しております。YouTubeへの投稿は、数あるPR活動のなかの1つです。
―― 声優を上白石萌歌さんが担当していますが、どのように決まったのでしょうか。
環境省担当:「イマ&ミライ」が高校生の設定だったため、起用当時高校生で大きく活躍されている上白石萌歌さんが選ばれました。委託業者からの提案もありました。
―― 3DCGはどこが担当しているのでしょうか。
環境省担当:委託業務で外部発注となっております。「COOL CHOICE」全体の普及啓発事業委託業務が、2016年は電通、2017年は博報堂となっており、そこからさらに外部の企業に制作を委託した形になっております。
―― 記事内で「莫大な税金が投入された」と書かれていますが実際どの程度かかっているのでしょうか。
環境省担当:具体的な額については非公開です。
―― 今後どのような展開をしていこうと考えていますか。
環境省担当:「イマ&ミライ」は、現在でも企業や自治体に積極的に活用されています。今までに作ったものをきちんと利用し、若年層へのアプローチに活用していきたいと考えています。そのためにも、皆さんが使いやすいような素材を用意するなど、さまざまな施策をとっていく予定です。
というわけで、再生数が少ないとやり玉に挙がったYouTubeの動画は、数多く実施されているPR活動のうちの1つにすぎませんでした。動画のクオリティーについては渋い顔になってしまう部分もあるのは事実ですが、再生数が少ないからといって「税金の無駄遣い」と決めつけるのは早計かもしれません。
(出典 news.nicovideo.jp)
<このニュースへのネットの反応>
なんでこんなに3Dモデルが奇形なんだろう
これを見て、一般の方が作ってみた動画を投稿、公式のものよりはるかにハイクオリティーなものが出来上がる、ってところまで予想。
>某有名同人ゲームの二次創作と比較するコメントが…… ←クッ〇ー☆やな
無駄とは言わんが税金使って高い料金払ってこのクオリティはゴミだと思う、なあなあで仕事するなよ。金額以上とかは言わん、金額並みのものを作ってくれ「行政半端ねぇ」くらい言わせてみろ
予算にもよるだろうけど、こんなもんじゃないの?niconicoあたりでよく再生されている超ハイクオリティな動画と比べるほうがおかしい。
話題になった時点で一部成功かな。
低クオリティで露出が下手って、本来のゆるキャラじゃん。
数多くアピールしてるのに動画伸びないって方がやばくね
まぁ、最新話も4月前のものだし、引き続き作る気はなさそう。
どこかで見かけてどこぞの専門学校か自治体のキャラかと思ってたけど、国だったんだ。
キャラデザ自体は結構かわいいな
イラストの方は良いのに3Dモデルはどうしてこうなったw(動画は一般にコンテストという形で応募させれば完璧だったと思う)
もしこれがオタクと呼ばれる人が集まって作られてたら、胸が大きいや露出が多い等で女性軽視・女性差別と別の問題が発生しそうにも思える。好き放題やってきた老人が今の若い人に未来を考えて行動しろってコンセプトは気に入らないけど
結局、省庁委託の仕事になると中間業者がピンハネしまくるのがこの国なんでしょうな。
>賛否含めさまざまな意見をいただいておりますので まるで50:50みたいな言い草だけどそれならなんで半年400PVなんだよw
>普及啓発事業委託業務が、2016年は電通、2017年は博報堂となっており なんで広告屋が間に入っててこの有様なんだ 動画の出来はともかく認知度高めるのが専門だろ 予算がどう分配されたか精査しろい
どれだけ中抜きされたのだろうか?
なんかこれ、電通に金流したかっただけじゃねえのかって疑惑も出てきた気がするな。あと以前これ関係の記事にも書いたけど、アニメ制作って外部へのバラマキで中国とかにかなり撒いてるらしいから、税金をそっちに流したんじゃないかってところはきっちり公表してほしいところだな
イラストはかわいいけどなぁ
電通と博報堂がかなりピンハネしてるのか
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