「TOEIC中止で大学院に進学できないかも」男子大学生の訴え


 新型コロナウイルスの影響で資格試験の中止が相次いでいる。英語試験の代表格「TOEIC」は進学や就職などでスコアが必須となることが多いが、運営側は9月までの試験中止を発表。これにより大学院進学への道が絶たれかけている男子大学生がいる。

「このままでは大学院に出願できないかもしれません……」

 そう話す男子大学生の目には、不安や混乱の色が浮かんでいた。志望する大学院が受験資格とする「TOEICスコアシートの提出」は、TOEIC中止のため手に入らない。大学側に提示された代替案は、急で間に合いそうにない。新型コロナ、大学、TOEIC運営に振り回されている状態だ。

◆魚の分類学ぶ男子大学生、院進学を決意

 高田俊輔さん(21歳・仮名)は、水産系の大学に通う4年生だ。研究テーマは「魚の分類」。分類学を通して魚の乱獲など食糧問題の解決に役立たせたいと考え、さらに研究を深めようと大学院進学を決めた。今夏の入試に向け、1年前から準備してきた。

 志望する大学院では、入学金と修士2年間の学費で計約150万円かかる。母子家庭の高田さんは、実家からの仕送りを減らすため大学の事務アルバイトをしてきた。院進学の決意を聞いた母親は「奨学金を借りるしかない」と告げたものの、行きたい気持ちがあるならと背中を押した。

 受験資格には「TOEIC、またはTOEFLのスコアシートの提出」がある。教授に言われた合格の目安は700点。2019年夏時点で高田さんのスコア500点だった。

 入試願書の提出締め切りは今年7月末TOEICスコア返却にはおよそ1か月を要する。6月までに200点伸ばすため、市販のテキストオンラインの英語塾を活用した。

◆身を削った努力、しかしTOEIC試験中止のメールが届く…

 ただ、時間の確保が難しく、勉強を進めるのに苦労した。大学の講義は月~土曜日まであり、所属する研究室での実験は夜9時までに及ぶこともあった。それでも講義や実験の合間を縫ってほぼ毎日、大学で事務のアルバイトをした。参考書の購入や資格試験の受験費用を賄うため、大学近くのスーパーダブルワークすることもあった。

 集中して勉強するため、2月以降の長期休みから追い込みをかけた。TOEICの受験も3月以降に絞り、6月まで全4回受験して目標点数を上回ろうと思った。

 しかし、そんな高田さんの歯車が狂い始める……。新型コロナウイルスの影響を受け、3月の試験中止に関するメールが届いた

 高田さんは当初、「(TOEICが中止になるのは)東日本大震災以来だし、連続してなくなることはないだろう」と楽観視した。

 だが、その後2か月間連続で試験中止になった。志望大学に電話を掛けて対応を迫るが、「検討中」の一点張り。代わりにTOEFLの受験を勧められた。

 不安に駆られた高田さんは、所属する研究室の担当教授にも相談した。そこでも「知らない。自分で考えて」の一言。対応は冷たかった。

◆急な代替案の提示「当事者への配慮足りない」

 TOEFLは、オンラインの自宅受験ができる「TOEFL iBT Special Home Edition」を導入している。志望する大学側には試験会場にこだわらないこの試験を活用するよう言われたが、高田さんは納得できない。

 受験料が高額で傾向・対策も違う試験を推奨されることに、当事者への配慮が足りないと思ったからだ。

 TOEICリスニングとリーディング、TOEFLはこれらに加えて、スピーキングとライティングがある。TOEICビジネス上の英語力を測るために用いられるのに対し、TOEFLは海外大学への留学や進学に必要なことが多いと、用途も異なる。出題傾向や勉強法を考えると、残り3か月ほどで準備できるものではないと思った。また、1回の受験料がTOEICは6490円なのに対し、TOEFLはUS$235(およそ2万5000円)だった。

 院進の道が絶たれかねない事態となっても、高田さんは就職活動に踏み切れなかった。「何も用意してきているものがない」と嘆く。早期化する就活のなか、周りの学生より遅れて舵を切ることに恐怖を感じていた。

「入試広報もでてない。(学校に入れず)卒業研究もできない。今までは夢だったのかなという感じです」

◆当事者にとって1回の試験は代替不可

 高田さんは、TOEIC運営側にも適切な補償をして欲しいと訴えている。

「外部試験のスコアは確かに信頼性は高いだろうし、好きな時に受けられる状況なら何も問題はないです。でも、この時期を狙って勉強していた人たちにとって、後日振替は意味がないですよ」

 中止への対応として、運営側は9月以降の振替受験、または返金としている。感染対策を徹底し、なんとか受験の機会を作ることはできなかったのか。試験会場を増やし3密を作らないようにする、受ける日をずらすなど。

 これらの提案について記者が問い合わせてみると、運営側は「感染拡大の状況から会場確保や密にならない状況での実施につきましても、現在鋭意検討しております」とコメントした。

 運営側には感染者を増やさないなど事業者としての責任があり、企業としての評価や存続にも関わる問題だ。この新型コロナ禍でどのような対応が適切なのか、混乱もあるだろう。

 しかし、TOEICと院試の受験者である学生に可能なのは、対応を求め、実行を待つといった受動的な行動に限られる。不安を抱えざるを得ない当事者のために、関係者には定期的な意思表示などを求めたい。<取材・文/凸 るり子>

【凸 るり子】
’98年、記者見習いの早稲田大学生。陽が当たりづらい若者、特に学生の苦しい状況と向き合います。Twitter:@deko_lapis にて、タレコミ歓迎。どこでも凸ります。関心→学費問題 / 摂食障害 / 体型、脱毛、美の基準 / 貧困 / デモ、etc

Zoomで取材に答える高田さん


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

これを機に、大学はその専門について学ぶところなのか、英語を学ぶためのところなのか考え直してくれるとありがたい。というか英語できなくても優秀な人材が安心して研究できるようにすれば日本の科学力もっと上がるよね?まぁそれされると困る人たちが必死にグローバルなイングシッシュをスピークできるように9月入学が~とか言ってるんだろうが


大学院で学べば分かるけど、論文の数は圧倒的に 日本語<英語 なのでだよ? 数が多ければ、その分参考にできる論文も増える グーグル翻訳とかが進んできてはいるけど、英語ができなければ研究は思ったように進まないし、英語で発表しないと世界には認められない。 現在での英語は、専門と同じだけ重要。 機械翻訳が進めば別だけども


研究してたらその分野に関する英語は上達すると思います。ある程度の文法さえ分かってたらTOEICなんていらないかと思います。


こういう事情なら大学側も考慮して何らかの救済措置あると思うが…↑英語論文の読み書きもできないのに優秀な研究者ってなに?世界の最先端の研究情報はほぼ英語で発信されるのに英語を学ばないなんて選択肢は研究者としてありえない


TOEICの点数が高くても専門用語はわからないので、結局皆さん勉強する必要があります。


大学教授や大学理事はネット苦手な人も多いので、ネット上の批判が一切届いてない可能性が高い。特に文系教授はスマホを使えない人さえ居る。


>英語できなくても優秀な人材が安心して研究できるようにすれば(略  ←それを大学の指導者層に伝えるには、指導者層に直接訴えるなり、署名運動なりが必要になる。それで象牙の塔の連中が考えを変えるかどうかは別問題だけど。


受験資格はTOEICかTOEFLのスコアシートの提出って明記されているなら、それに従うしかないでしょうに。努力をしてきたのだとしても運が悪ければ無理なものは無理なんてことは何時だって起こる。とれる道はぎりぎりまで粘るか500点のスコアシートを提出するか休学して来年に挑戦するか。楽な受験方法を選べないとごねたところで印象が悪くなるだけでは?


「論文の数は圧倒的に 日本語<英語」←これが端的に言い表してるよ。1995年以降は、世界の論文の80~82.1%が英語で書かれている。毎年の論文数で比較すると、日本は約10万件、アメリカはなんと約42万件。


まあTOEICの点が高くても、専門性の高い論文は読めないし会話もできない場合が多いんすけどね


最初からTOEFLも条件として挙げられていたのならそっちに挑戦するしかないんじゃないかな。自分もコロナのせいで卒業に向けてめちゃくちゃ大変な状況に追い込まれてるけど、チャンスがある限りがんばろうぜ。


いろんな浪人見てきたから、よくわからん。今年がダメなら来年がある。1年学費稼ぐか、別のとこ受ければいいじゃないか


臥薪嘗胆の念を抱いて頑張りましょう。この経験がきっとあなたの人生の糧となることでしょう


大学時代は専門そっちのけでTOEICの勉強しまくったなあ…。コロナ禍の大学生は踏んだり蹴ったりで本当に気の毒だ。


この手の、窮状を訴える学生って大概母子家庭だよなぁ不思議だなー


大学と大学院の違いも分かってない奴が大学を語ってて草 院生で英語の読み書きできないとか論外ですよ(笑)


知らない自分で考えてはさすがに草


「(TOEICが中止になるのは)東日本大震災以来だし、連続してなくなることはないだろう」と楽観視した。←これが一番の原因では??


専門分野の英語が出来るようになるためには、英語で書かれた入門書や解説書を読むのぜ


求められているのは「英語力」であって「TOEIC力」ではないからね。大学院まで行こうというのに受験脳じゃダメだよ。それに、今すぐムリして進学するよりも、就職して経済的に安定してから行くという手もある。視野を広く持ったほうがいい。


まあ地獄だけどそれまでにちゃんと実績積まないとなぁ金がなくなるのは仕方ないし500点でほかの科目満点とればええやんけ


大学側の対応もアレだけど指導教官の「知らない。自分で考えて」ってのも冷たいな.進学したら自分の研究室の学生になる可能性高いのに…実は嫌われてるんじゃ?


運も実力運のうち。力不足だったんだ。あきらめろ


つか、そもそも修論って英文だよね?


>>7010大学院まで行ったからこそ言ってるんだよ。


修士論文を英語で発表して質疑応答も英語にしたせいで、どうなってるのかも知らずに、「大学院で学べば分かるけど」とかよく言えたもんだ。ものによっては教授すら聞いてなかったり、質疑応答が機能してなかったりするんだぞ。Fラン大学ならともかく、理系の国公立大学でだぞ?


水産系とかにしぼらなければTOEIC500でも入れる。考慮してくれる大学もあるはず。大学院で重要なのは理系であるかないかということだけ。民間就職だと専門はあまり関係ない


周りでTOEIC400切ってた人間も修士卒になってたからいける。旧帝大レベルは700要るかもしれんけども


英語読めるけど頭あまりよくない人間と、英語苦手だけど頭良い人間とペアで組むなり、英語得意な人に片っ端から翻訳させるなりすればよいのに。英語で論書くとか読むとか、プレゼン資料をゼミの外人にも伝わるように英語で用意するとか本当に時間の無駄。


別に今年になっていきなりTOEIC又はTOEFLのスコア提出が求められたわけじゃあるまいに、なんで早めに対策しなかったの、って言われて終わりだよ。 しかしまあ貧乏暇なしにならずに勉強時間確保できればまた違ったんだろうし、ほんと、教育は金次第だなぁ。




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